撮影が終わったのは夜7時。
現場入りした時、空はまだ明るかったのにいつの間にか真っ暗。
「やっと帰れる~………。西浦さん!早く帰らないと桜彩が寂しい思いして待ってる!」
「デレるな凛!……裏口から車出すか」
「このまま表口でいいっスよ」
「表口にお前のファンが集まってるみたいなんだよ……」
そいえば俺ってファンサービス的なの、したことあったっけ?
事務所との契約者に『ファンサービス必須』って書いてたような………。
「西浦さん!俺、ファンサービスってヤツするから表口から帰ります」
「……凛大丈夫か?熱でもあんの?」
「本気!たまにはファンの子と会ってみようかな~……みたいな?」
「このあと仕事ないからいいけど……。無理すんじゃねぇぞ」
「分かってますよ!」
車から降りて撮影スタジオの表口に行けば、色紙やら何やら色々持ってる女の子達。
全ては社長に認めてもらうため。
俳優としての新名凛でファンサービス決行!

