【凛side】
冬の眩しいほどの日射しがカーテンの隙間から覗く朝。
目覚ましのうるさい音じゃなくて、柔らかい感覚で目が覚めた。
寝起きのパッチリ開かない目で上を見上げれば、ベッドに座って俺の頭を撫でてる桜彩。
ぶかぶかの俺のジャージを着てる姿は、かわいすぎて直視できないほど。
「おはよ……」
「おはよ。凛って、寝起きもカッコイイね」
「そーかー?」
「うん。寝癖だってオシャレに見える」
面白そうに俺の寝癖頭を撫でて笑う。
親とケンカして家出して来たと思えないほど、優しい表情。
ここに来てから桜彩が甘い!
普段ツンケンしてるのに、甘えてくる!
俺としては嬉しい限りなんだけど……。
「朝ご飯……作ろっか?」
「いや、いい。あと1時間ちょいで西浦さん迎えに来るから」
「そっか……。今日もお仕事夜遅いの?」
「ん~……遅いな。先寝てろよ?」
「ヤダ!待つ…」
寂しそうにぷいっと横を向いてしまう。
かわいすぎてどうしよ………。
早く社長のところに帰さなきゃないのに、手放したくない。
ずっと二人で、このまま暮らしたい………
そんなバカな考えが浮かぶ。
俺って……相当、桜彩のこと大好きなんだ。

