少し散らかった凛の部屋に通される。
冷えた身体に温かい。
「じゃあ、ずっと俺帰って来るの待ってたの?」
「うん……もう家に帰りたくない……」
「はぁ~……困った彼女さんだね。俺が一緒に行くから。帰ろ?」
「ヤダ!だって、ママは……あたしと凛のこと反対してるんだよ?」
困った表情で苦笑気味にあたしの頭を撫でる。
困らせてごめん……。
ほんとは困らせたくないのに……。
「分かった。じゃあ、桜彩が気ぃ済むまで俺んちにいなよ」
「ほんとに!ありがとう、凛!」
「でも条件付きな?ちゃんとママのところに帰る。これが約束で条件。できるよね?」
笑顔であたしの顔を覗き込んで、小指をあたしに向ける。
その小指にあたしも自分の小指を絡ませて約束。
ちゃんとママのとこ帰るから………
今だけ甘えさせて。

