「桜彩」
「え、あ!凛!………人混み来ちゃダメじゃん…!」
背伸びして俺の耳元で囁く。
その仕草が、かわいくて手を引っ張って人気のない階段に行く。
階段に登ればこの身長差も何てことない。
「下手くそで動音痴だったけど、ダンスかわいかったよ」
「それって褒めてんの~?半分はけなされてるような……」
「今から頑張ったご褒美に桜彩を甘やかしてあげまーすっ」
「へっ………え。ちょっ……と…んっ」
俺より一段下にいる桜彩との身長差を縮めるために少し屈む。
マスクを外して、リップがついたピンクの唇にキスをしてみる。
状況を理解してないような桜彩が顔を真っ赤にして目をパチパチさせる。
「あ………な、何してんの…いきなりっ」
「キスするためにマスクで保湿してたの」
「バ、バカー!!」
照れて俺の背中を叩く。
こんなに、かわいい彼女と付き合えた俺って最高にツイてるかも!