だけど一生懸命ってかわいい。
誰よりも劣ってて苦手で出来ないことでも、一生懸命にやってる姿はかわいい。
俺も頑張ろうって思えるから。
「あとで、桜彩のこと褒めてやらなきゃ」
「頑張ってるもんね~桜彩ちゃん。……俺も小春に告白しよっかな」
「なんでいきなり?」
「要はさ、失敗怖くて逃げてるだけじゃん?自分の気持ち伝えてダメだったら、さっさと諦める」
マスクを外して笑う横顔は覚悟を決めた目。
ねぇ、桜彩。
桜彩が頑張ってるから理音も告白頑張るってさ。
やっぱり桜彩はすげーな………。
さすが社長の娘だよ。
ダンスが終わってからは、体育館に人の群れが入れ替え。
俺と理音はマスクで顔の半分を隠して、さらに下を向いて急いで人混みを避ける。
「桜彩んとこ行ってくるわ」
「じゃあ俺も杏花梨ちゃんと話してよ♪」
今からたっくさん甘やかしてやるからな?

