でも理音はマスクを窮屈そうに取ったり外したりを繰り返す。
バレても知らねぇぞ~。
「すっげー……こんな人混み歩いたの久しぶりだよ!楽しいな!凛!」
「バレないってすごいな~……髪もセットして来なくて正解だった!」
「凛~♪早く彼女んとこ行こ!」
「桜彩はどこにいるんだっけ?」
桜彩とのメールの履歴を見て再確認。
『3階生物室』
中学以来の学校の校舎。
並ぶ教室させえも俺らは興味津々。
「なんかさ……俳優もいいけど、学生もしてみたいな」
「勉強嫌いな理音が珍しいじゃん?」
「普通に授業受けて、普通に友達と遊んで、普通に恋愛して………その普通が羨ましく感じるんだよ。最近」
「……とことん理音らしくない!」
「分かってますよー!でも……そうゆう時って少なからずお前もあるだろ?だから、桜彩ちゃんといるんだろ?」
理音はたまに核心を突いてくるから立ち悪い。
俺もそんな普通に憧れてた一人なのかもしれないな……。
だから、一般人の桜彩に恋したのかも…。

