第二応接室のドアを軽くノックしてから、ゆっくり開ける。
すると制服姿の桜彩が小さく座ってた。
「ごめん。待った?」
「大丈夫。今日は忘れ物届けに来ただけだから。はい……ピアス」
「あっ!!俺のピアスー♪ありがと!どこにあった?」
「洗面台の下に落ちてたの」
ピアスなくしてよかった。
もう会えないと思ってたのに奇跡じゃん!!
桜彩を独り占めしたい……
今日一日だけでいいから。
「俺んち来ない?もう外暗いし。帰すの心配」
「帰れるよ~。余計な心配しないで!」
「俺腹減ったの!桜彩が飯作れ!」
「はぁ~……凛くん……」
困らせてごめん。
でも側にいてほしい。
俺は桜彩の手を引っ張って、強引に西浦さんの車に乗せた。

