気持ちを少しでも隠さないと………
おかしなことに涙が出そうなの。
鼻の奥がツンとして唇が震えて、視界がぼやけてる。
だから、あたしは凛くんとお互いに背中合わせの状態。
顔見たいけど、見れないや………。
「桜彩！」
「んっ？なっ、なに？」
「この前はごめんな？俺が勝手にしたこと……忘れて？」
あたしは何も言えなかった。
口を開いたら、溜めてた涙が全部溢れちゃいそうだったから。
でも、ドアが閉まった瞬間に全てをやっと実感するの。
「意味分かんない……なっ、なんでアイツのために泣かなきゃないわけ？」
溢れる涙をゴシゴシ手で拭えば、もっともっと溢れてきて……
どうしようママ……
涙がとまらない！
もう会えないのにバカみたい。
