まるであたしが凛くんのこと好きみたいな言いがかり。


でも、好きじゃないって思わせる度にズキズキと胸が痛いよ……。


何なのこれ?


キスだけであたしの身体までおかしくできるの?


朝ごはんのトーストを小さくかじって、見詰める先には凛くんの部屋。


もう………荷物とか全部まとまってるのかな?


出て行く準備できてるのかな?


二人でケーキ食べたこととか覚えててくれてるのかな?


聞きたいことばっか………。



「じゃっ、桜彩。仕事行って来るわね!地方に映画撮影だから2週間は……ごめんね?」

「大丈夫!2週間くらいなら、もう慣れてるから!行ってらっしゃい♪」

「行って来ます♪あっ、凛から合鍵預かっといてねっ」

「分かった……」


パタン───………


静かに閉まったドア。


合鍵……返してもらうってことは、ほんとに出てっちゃうんだ。


あ、あたしにはまるで関係ないことだけど!


「アイツのせいで遅刻と忘れ物なんてこりごり!学校行くもん!」


出てって清々するわ!