それからのあたしは、度々忘れ物が増えてくばかり。


成績落ちるのが不安……。


ひどいよ……凛くん。


勝手にファーストキス奪っといて、ふらっと仕事行っちゃうなんて。



「はぁー………あり得ないよ……」

「どうしたの~?桜彩。悩み事なら、ママに言ってちょうだい?」

「あっ、ううん!大丈夫!何でもないから…」

「悩みを抱え込むくせ……ダメよ?」


ママが優しく笑ってくれれば、いつも悩みは嘘のように吹っ飛ぶ。


なのに……今回はダメみたい…。


「あっ!そうそう……今日の夕方、凛が家から出て行くわ」

「えっ………もう?」

「2ヶ月経ったしねっ。桜彩にしたらよかったのかしら♪」



よくないよ。


この胸のモヤモヤ………どうしてくれんの!?


責任取ってよ……とか言いたいところだけど、そんな強気にもなれない。


「もう……ほんとにヤダ……」

「……桜彩、凛くんに惚れちゃった?」

「うえっ!?そ、そんなわけないでしょ!?あり得ないから!」

「ご、ごめんねっ」


そんなわけ……ないんだから!