渋々あゆみの部屋で一晩過ごした。
目が覚めると朝の6時。
隣には長い髪を振り乱して寝てるあゆみ。
やっと……やっとこれで別れられたのか?
いつまでも、こんなとこにいたくない。
早く帰ろう………。
一人寝室から出て西浦さんに電話する。
起きてっかな………。
『はい、西浦でーす』
「あ…西浦さん?起きてた?」
『起きてたっつーか……今、理音のこと撮影に送ったばっか。………何かあったか?』
「迎えに来てもらえません?……あゆみのマンションまで」
『………分かった。15分くらい待てるか?』
全てを悟ってくれたのか、ため息混じりな声。
「はい。待ってます……」
ずっとこの家の中にいたくもないから、部屋から出てマンションのロビーで西浦さんを待つ。
15分も待たずにマンションの前に停まった黒い車。
俺が乗り込むところ……週刊誌に撮られたらヤバイな……。
若干ビクビクしつつ………俺は西浦さんの車に乗った。