ゴチャゴチャしてて落ち着かない部屋の中で、俺はとどのつまりを話す。
最終的に俺が、あゆみに望むこと………。
「俺と別れてほしい……」
「はぁ?ちょっと~本気っぽい顔で冗談やめてよ!嘘でしょ?」
「好きな女がいる。…純粋でバカで鈍いし、叶わない気持ちだけど好き、なんだ…」
俺は俳優で演技はうまい。
でも、桜彩に対するこの気持ちは本当。
嘘の欠片なんてこれっぽっちもねぇよ。
「絶対にヤダ!別れない!あゆみのこと好きって言ってくれたじゃん!」
「今回の週刊誌で幻滅した。自分の立場まずくなったら連絡全部シカトだし。無責任」
「あ、あれは……そのっ……ってゆうか、好きな女ってどこのどいつー?」
「一般人だから。被害加えんなよ」
悔しそうに舌打ちして俺の隣にドカッと座った。
コイツ……一筋縄で別れてくれるような女じゃない。
何かしら条件付けてくるはず。
別れてくれるなら、その条件も引き受ける。

