彼はあたしを素通りして、さも自分の家のようにリビングのソファーでくつろぐ。
なんなのこの人!?
あ、あたしどうすればいい?
学校遅刻しちゃうし、そろそろ行かなきゃないけど自分の家に他人がいるから……
でも、ママが承諾して入れてるなら大丈夫かな……。
あー!
もう!学校行く!行ってやる!
「あのー!……あたし学校行くんで……戸締まりのほどお願いします」
玄関から声をかけると廊下を全力疾走で走って来た新名くん。
「いやいや。お前に学校行かれちゃ困るな。だって俺、朝ごはん食べてねぇもん」
「は?……あー……その、冷蔵庫に何かしら入ってるし、パンもあるから」
「成長期でしかも芸能人の俺に、そんな雑な扱いしていいわけ~?」
ニヤッと笑ってあたしを見下す。
この身長差が悔しい!!

