【桜彩side】
卒業式の花飾りを胸に付けたまま、凛の車で連れて来られた場所は高層マンション。
今住んでる所より高いかも………。
「じゃ、行こっか。桜彩」
「え!うん……」
色々と疑問はあるけど、とりあえず凛の手を握って着いて行く。
エレベーターで最上階まで行くと、カードキーでホテルみたいにドアを開けた。
ここほんとにマンション!?
大理石の玄関からは、広々としたリビングが広がる。
太陽がいい感じで入ってきて気持ちいい……。
「ここが二人でくつろぐリビング!で、こっちが二人で寝る部屋!」
「うわぁ~………ひろっ!おっきいベッド置けるねっ」
「俺はシングルの方がいいなぁー」
「どうして?」
「距離近いから?」
さらっとドキドキさせるようなこと言うし!
あたしは照れ隠しでリビングの大きな赤いソファーに一人で座った。
少し先には大画面のテレビ。
家具が少し置いてあるのも不思議かも……。

