卒業式が終わった時間になると俺は、桜彩を高校まで迎えに行った。
社長は事務所で仕事があるから、事務所に一度寄る。
「ごめんね凛!ありがとう!」
「いえいえ。お疲れ様です!」
社長に休暇なんてあってないようなもんだ。
車の中ではやっと桜彩と二人きり。
俺のサプライズ計画の始まり。
「あれ?どこ行くの?うち過ぎたよ?」
「着けば分かるって!あと10分くらい待ってな?」
「う、うん……」
不安な面持ちで窓の外を眺めてる。
その顔をこれから笑顔にしてあげられればいいな……。
「桜彩。卒業おめでと」
「ありがと……。なんだか3年間学校以外だと凛との思い出ばっかり!」
「俺だって!仕事以外なら桜彩だらけだよ」
「……楽しい思い出ありがとねっ」
「俺こそ」
照れ隠しで目を見て言えなかったけど……。
桜彩のおかげで人を一途に好きになることを知った。
それと同時に離れることの寂しさも知ったけど………。
一緒にいたら楽しいことだらけ。
ずっと、これからも大好きな子のために。
ずっと、側にいてほしい人へ。

