夜6時少し過ぎ……。
社長室のドアが静かにそっと開いた。
ドアから入って来たのは、少し髪が伸びて明るい茶髪になってる凛。
相変わらずカッコよくて、あたしの心をぎゅうっと掴む。
「桜彩……久しぶり!」
あたしの名前を呼ぶその声にドキッとして、頬が熱くなる。
鼻もツンとして、視界がぼやけて………
「うっ…う、うぅ~……おかえりぃ~……ぅ、会いたかったっ…!」
「ただいまー!せっかく会えたのに泣くなよ~!もう、桜彩の側離れないから」
「またどっか行っちゃうくせに!」
「仕事だからすぐ帰って来るって!ねぇ、社長の前で抱きつくのやめてー!」
久しぶりに見る凛の笑顔にほっとして、あたしは胸に顔を埋めて力強く抱きつく。
ずっとずっと寂しくて、ずっとずっと会いたかったよ。
ほんとに大好き………。