胸の真ん中が、きゅっと締め付けられるようなそんな気分。


優しくて嬉しいのに、どこか苦しい。


「どうしたの?俺でよかったら聞くけど……。凛のことだろ?」

「……はい。あたし凛に嫌われちゃったかもって…。連絡くれないし…」

「アイツ海外行ってるんだって?」


隣に座った空さんに、あたしは小さく頷いた。


考え事してる横顔もさすがは兄弟。


凛にそっくりだもん。


「多分だけどさ……連絡には気付いてると思うよ。でも凛のことだから……」

「やっぱ、好きな人出来ちゃったんですかね……?」

「時間が無いんだよ。たくさん桜彩ちゃんと話したくても、時差の問題もあるし……」

「あたしは少しでもいいので声聞きたいんです……」

「女の子としてはそうだよなぁ~」


空さんの説得で心は少し落ち着いたかも……。


あたしは、ホットケーキを一口食べた。


温かさの中に甘さが広がって、あたしを癒してくれた。