【桜彩side】
ジリジリと太陽があたしを容赦なく照り付ける夏。
高校生活最後の夏がやってきた。
夕方なのにびっくりするほど暑くて、白いセーラー服なのに太陽たくさん集めてる気分……。
マンションのエントランスに入ると、冷房で少し涼しい………。
あたしはいつも通りエレベーターに乗って部屋に帰る。
………ここまではいつも通りだったの。
鍵を開けると玄関に見知らぬ男性物であろう革靴。
その隣には、ママの白いサンダル。
リビングからは男性の話し声………
凛じゃない……誰?
恐る恐るリビングのドアを開けると、ママがハイテンションであたしを迎える。
「桜彩~!!おかえりっ♪暑かったでしょ?」
「う、うん。……ねぇ、あの人……」
あたしが見詰める先にはダンディーなおじさん。
「桜彩……知ってるわよね?」
小さく頷いた。