夜、凛が家に帰って来てからあたしはお守りを見せた。
「このお守り知ってる?」
「懐かしい~!俺、空からオーディションの時同じの借りたんだよ」
「うん。だって、このお守り空さんのやつだもん」
「え!?空の!?いつもらったの!」
「今日だよ。空さん駅のカフェでバイトしてるでしょ?」
ポカーンとしてあたしを見詰める。
えっと……もしかして空さんがカフェでバイトしてること凛知らなかった?
「バイトしてたんだな~。俺知らなかったわ」
「凛と空さんってほんとに兄弟?」
「顔見て分かるだろ!正真正銘、兄弟ですから!」
お守りの話じゃなくて兄弟の話になってるし!
もっとこまめに連絡とか取り合うのが兄弟だと思ってたけど……
うん、でも凛と空さんは仲良しだもんね。
あたしは薄い水色のお守りをきゅっと胸のところで握りしめた。
空さんも凛も応援してくれてるから頑張れるよ。