桜彩の幸せそうな笑顔を見てたら、俺まで幸せな気持ちに染まる。
そんな時、現実に引き戻されるケータイの着信音。
メール………あゆみからだ。
俺が前にメールした時の返信か……。
『来週の金曜日夜7時。
家に来て』
散々、無視しといて自分の都合良く家に来いと……。
都合のいい女は嫌いだ。
「どうしたの?……なんか暗い」
「ん?彼女からのメール。来週家に来いだってさ」
「嬉しくないのかな?好きな人からのメールって……」
「付き合いたての時は、かなり嬉しいよ。ただ……俺らはなぁ~」
このビミョーな関係を言葉で表すの難しい。
ただ、俺がもうこれ以上週刊誌のお世話になるわけにはいかないし……。
社長に会わせる顔がなくなる。
「あ……つーか、この前俺のこと庇ってくれてありがとな。社長に責められてる時」
「ううん。仕事でも言い過ぎって感じただけだから。……か、勘違いしないで!」
「しねぇよ!ただ……普通に嬉しかった」
桜彩の気遣いが、あの時の俺には嬉しく感じた。
……もう俺が週刊誌事件起こせない理由もう一つ増えちゃったじゃん。

