結局、浮かない気持ちのまま桜彩が待つ家に帰った。
俺が玄関に入ればすぐ走って来てくれる。
癒されることこの上ない。
「おかえり、凛」
「ただいま~桜彩。先寝ててよかったのに!」
「それは嫌!凛のこと待つもん」
「ありがと」
抱きしめると、ふわっと香る桜彩お気に入りのシャンプーの匂い。
顔を上げて大きな瞳で俺を見上げた。
うっ!
かわいすぎる!
「……何かあったでしょ。凛の中に悩みの種が見える!」
「はぁー……桜彩には嘘付けねぇか…」
「当たり前だよ!悩みの種……教えてくれないかな?」
「そうだなぁ………。理音がアメリカでモデルすることになった」
その瞬間、目をパチパチさせる桜彩。
びっくりするのも当然だ。
「ほ、ほんとに……?」
俺はただ頷くことしか出来なかった。