今のところ仕事で不便なことは一切ない。
仕事の量だって多すぎるほど与えてもらえてるし。
気掛かりなのは、この俺の人気がいつまで続くか……。
いつか飽きられるのは分かってる。
だからこそ………心の底のどこかで、海外で仕事する夢を見てた。
理音が羨ましいな~……ほんと。
「英語とか全く分かんねぇけど……これから上達させるし。夢追い掛ける!」
「いいじゃん。で……いつ向こうに行くの?」
「向こうの事務所からは来月には来てほしいって言われてる」
「そっか……。小春のことどーすんの?」
「ははっ!凛、それは禁句だっ」
悲しそうに笑った。
アメリカに行けばもう簡単に小春に会えなくなる。
俺、無神経なこと聞き過ぎたな……。
「……日本飛ぶ前には伝えるよ、ちゃんと」
「もし小春にオッケーされたらどうする?」
「違う。好きってだけ伝えて終わり!……会いたくなるからさ……」
「理音がそれでいいなら、止めないけど」
あんなに好きだったのに勿体ない。
ほんとに好きなら、小春のことアメリカに連れてく勢いで行けばいいのに。
………ここまで言う必要はないのかな…。

