あたしが泣いてちゃダメだ。
凛からお話聞かないと。
「検査結果……どうだったの?」
「あー……うん。案の定、過労だって。体力がついていけなかったらしい」
「その他にもあるでしょ?正直に言って」
「……風邪引いてた……。違う!桜彩に余計な心配かけたくなくて!」
「そんなのイチイチ気使わないでよ……」
言ってくれないと分かんないよ……。
ツライこと言ってほしかったけど、なんとか大丈夫そう……。
少しは一安心。
ベッドの横の椅子に座ったあたしの手を右手でゆっくり握ってくれる。
申し訳なさそうな顔で。
「言えばよかったな……。ほんとにごめん」
「次からは絶対に言ってよね。もう、こんなに心配するのヤダ……」
「ごめん。だから泣かないで?」
「うんっ……泣かないっ」
そうして、個室で誰もいないからって凛はキスをする。
キスできる余裕あるなら安心していいかな……。

