【桜彩side】



どうしよう………。


あたしの心臓は自分の耳にも届くほど、バクバクと大きく音を立ててる。


泣きそうだよ……


不安だよ………


大丈夫だよね?



「桜彩ちゃん。そんな深刻そうな顔して行ったら凛も元気出ないぞ?」

「西浦さん……。凛は大丈夫なんですよね?元気ですよね?」

「大丈夫だ。……風邪引いてたことは知ってたの?」

「それが……全く。彼女失格です……」


あたしのその言葉を西浦さんは笑って吹き飛ばす。


今朝も具合悪そうな素振り一切見せないんだもん。


気付けなかったあたしもバカだけど、ツライなら一言言ってほしかった!


びっくりしたんだから………。


さっき、夜一人で家にいる時にママから慌てた声で電話がきて……


『凛が倒れたの!今すぐ西浦に迎えに行かせるから病院来て!』


その瞬間、あたしの頭の中は真っ白。


どうしていいか分からない。


ただ、凛に早く会いたかった。


それだけ………。