そうやって気付いた時にはもう遅くて……


目の前が真っ暗になる。


微かに聞こえる西浦さんの声と、スタッフ達の声。


そこからの記憶は一切なくて。


俺が目を覚ました時には、真っ白の天井に真っ白な壁。


ふかふかのベッドに寝ていた。


左腕を見ると点滴だらけ。


「新名さん?ここ分かりますか?」

「え、あ……多分、病院?」

「そうです。もうすぐで検査結果が出ますので安静に待ってて下さいね」


看護婦はカルテに記入しながら話す。


窓の外は真っ暗……もう夜。


はぁ~………仕事中途半端にしてきた罪悪感がハンパない。


今すぐこの点滴外して撮影に走りたいくらいだ。


さっきよりも体調いいし!


ざっと部屋を見渡せば患者は俺しかいなくて……。


個室だから当たり前なんだけど。


話相手いないし退屈だなぁ~。



あ……!!


そいえば桜彩に今晩帰るって言ってたな!


どうしよ……アイツ心配してるよな、絶対。


自分の体よりも、心配して泣きそうになってる桜彩を考える方がツライ。


結局のところ………


桜彩に会わせろー!!