まだ外が薄暗い早朝、左腕の違和感で目が覚めた。
ゆっくり目を開けると、俺の左腕にしがみついて寝てる桜彩。
もちろん裸で。
ったく、朝から誘うな…バカ。
毛布をかけてやって、俺が起き上がるとぐっと腕を引っ張られる。
「まだ……いて?」
「もちろん!」
掠れた声で、そんなかわいく言われたらベッドから出れるわけない。
こんなクタクタにしちゃったの俺だし。
「凛……今日お仕事は?」
「午後から。……そんな悲しそうな顔されたら仕事行けねぇじゃん」
「してないもん!」
「ふーん。もう来年結婚しちゃおっか♪」
「しません!」
昨日の弱々しい姿とは大違い!
でも、いつも通りの桜彩でいてくれて安心するけど………
ふと昨日の桜彩からのキスを思い出す。
あれはかわいかったな。
「どうしたの、凛?」
「昨日の桜彩を思い出してた」
「や、やめて…!」
あんなに、かわいいのに嫌がる理由が分かんない。
そろそろ桜彩に怒られそうだから、あとは俺の中だけに閉まっておこう。