でも、俺は理音と小春に帰ることを止められて玄関で一人桜彩を待つ。
いいだけ止めてきた理音は仕事だって言って帰るし、小春はクラスの片付けあるってどっか行くし!
ほんとに桜彩の彼氏がアイツだったら、俺立ち直れないわー……。
「……凛」
俺の名前を呼ぶ優しい声。
振り返れば、まだピンクのひらひらしたドレスを着てティアラを付けてる桜彩。
やっぱかわいすぎ……!
「ごめんね……待たせちゃって。小春ちゃんから場所聞いて来た」
「いや、大丈夫……。さっきの彼氏?桜彩が追っ掛けてたの」
「あ……ううん。違うよ」
「嘘つかなくていいよ。俺達もう別れてんだし」
「ほんとに違う!」
素っ気なく突き放すような言い方の俺に、必死で否定する。
違うなら安心するけど……。
どうして追っ掛けてたのか気になるのが本音。

