帰りの車中は理音と西浦さんと三人。
もちろん触れられるのは俺と桜彩の別れた話。
社長に合わせる顔がない!
「凛。社長かなり残念がってたぞ。娘にぴったりだと思ってたのに~……って」
「よかったじゃんか凛!怒ってねぇよ!」
「そうゆう問題じゃなくて!……せっかく交際オッケーしてもらったのに別れたら申し訳ねぇじゃん」
「そりゃそうだけど。あ、結局どれくらい付き合ったの?」
「11ヶ月……かな」
改めて気付く。
俺は桜彩と11ヶ月も、約1年も付き合ったんだって。
今までこんなに続いたことはなかったから正直びっくり。
「若いうちにたくさん経験しとけばいいさ。な、理音」
「そうですよ!西浦さんの言う通りっ。うじうじすんなよ凛!」
「してねぇよ。理音の料理がマズ過ぎて早く家出たいって考えてただけ!」
「ヒッド!!早く出てけよ居候!」
「落ち着け二人とも」
今は精一杯頑張ろう。
そして、またいつか桜彩に振り向いてもらえるように……。
踏ん張り時はここから。