笹本はクツクツ笑って面白そうにあたしを見た。
フラれたってゆうか、あたしが凛のこと信用してあげられなかっただけなんたけど……。
「言っとくけど!少し訂正!フラれたんじゃなくて、フッたの!」
「え、マジで?男が可哀想だわ~……」
「それは後悔してる……。ほんとにいい人だったのに、あたしが自分勝手で…」
「女ってほんと自分勝手だよな。俺も3日前フラれたばっか」
「彼女いたんだ?」
「それはもうかわいい彼女。俺は尽くしてた方なんだけど…」
この顔のカッコよさで彼女いない方がおかしいか……。
一瞬だけ見えた笹本の切なそうな顔。
よっぽど彼女のこと大好きだったんだね……。
「俺は傷の舐め合い好きじゃないんで!そろそろ行くわ」
「あたしも。またね」
「あ!一人ぼっち同士としてやるよ」
笹本があたしに投げて渡したのは冷たいミルクティー。
一人ぼっち同士ね~……。
「ありがとう!もらっとく!」
振り向かないで手を振る笹本もあたしと同じで傷心中。
意外と優しいヤツなんだね。

