溢れそうになる涙をぐっと堪えた。


そしてあたしはやっと呟く。


「凛と別れたい……」



ほんの数秒の沈黙が嘘みたいに重たくて、あたしにのし掛かる。


凛はどう思ってるの?


あたしの頭を撫でてた手をよけて、切なげに笑って見せた。


「…そっか。桜彩がそう言うなら別れる」

「え……?」

「俺は引き留めるつもりはねぇよ?俺が悪いし、それだけ桜彩のこと傷付けたんだから」

「うん……じゃあ、別れる?」

「別れる。俺は……けっこう桜彩に本気だったんだけどなぁ~」


今度は困った顔をして目を逸らす。


あたしだって凛に本気だったよ。


こんなに苦しくなるほど人を好きになったことないもん。


でも……信用できなくて不安になるあたしは凛の彼女失格。


器の小さい最低な女なんだ……。