二人に説得されても、どうしていいか分からないあたし。
家に帰ればもちろん凛はいなくて……
久しぶりに一人の空間。
そりゃあ、凛の仕事が多忙だからあたしが一人になることも多かったよ?
でも……もうただいま、って帰って来てくれないんだね。
はぁー………
あたしから出て行かせたのに、なんでこんなに落ちてるんだろう。
バカみたい……。
♪~♪~♪~♪~♪~
静かな室内でスマホが鳴る。
画面には『凛』の文字。
手で取ろうとしたのに、あたしはスマホに触れず手を引っ込めた。
電話に出れないのはあたしの弱さ。
凛を信用してあげなきゃ……。
凛だって好きでキスしたわけじゃないのに。
「ごめんね……凛。あたしやっぱり出れないよ…」
話すのが恐い。
一方的にあたしが自分勝手に怒ったから、許してもらえないもん。
連絡してくれてるのにシカトなんて………
あたし最低だ。