そんな至福の時間も一瞬。


凛はまだ仕事あるんだもんね?


貴重な休憩をあたしを喜ばせるために使ってくれた。


「ありがとう凛。ほんとに嬉しいよ!」

「どういたしまして!……仕事戻るな?」

「無理しないでね?頑張って…」

「あぁ。もちろん」


繋いでた手は、凛の笑顔とともに離れてまた寂しくさせる。


だけど、もうさっきよりは全然寂しくない!


こんなにキレイな花束をプレゼントしてくれてありがとう。



部屋に入ってからふと気付いたあたし。


薔薇の花は11本……意味は確か~“最愛”。


あ……頬が熱くなってきた…。


桃の花はなんだっけ……。


部屋の本棚の隅っこにある分厚い花言葉の本を手に取る。


幼稚園の時にママに買ってもらって、今でもたまに開いて見るほど好き。


「あった……。えっと、桃は~……!」



“あなたに夢中”



もう………ほんとに凛大好き。


側にいないのにあたしを嬉しくさせるんだから!