そして彼女は俺に薔薇の花束を向けた。
「ここに11本あります。意味は最愛……それから感謝の気持ちです」
あ………。
“本数で意味が変わる”
理音の言ってたことは、こうゆうことか。
「へ~……じゃあ、その花束でお願いします」
「あと数本………彼女さんのことを考えて入れてあげて下さいね?」
「彼女のことを考えてか……」
店内を歩き回る俺に近付いて、理音は俺が持つ花束を覗き見る。
薔薇を見て意外そうな顔。
うん、でもこれから桜彩をイメージした花入れてくからね。
桜彩の名前には桜が入ってる。
だから桜ってのもベタだし。
あ……この花いいかも。
「これは?」
「桃です。ちなみに、花言葉は……きっと彼女さんは喜ばれますよ」
「い、意味ってー……」
「是非、自分で調べてみて下さいな」
まぁ、桜彩らしい色してるし……
これでプレゼント用にしてもらう。

