涙目になってる桜彩は俺に抱きつき、小さな声で囁いた。
「おめでとう……。来年こそ当日に言わせてね?」
首を傾げる仕草がかわいくて……。
両手で頬を包み込んでキスをした。
1日遅れの誕生日。
疲れきって今にでも寝たい体なのに、桜彩のおかげで元気になった。
「凛にプレゼントあるんだよ?」
「プレゼント?」
「そう!ちょっと待っててね!」
桜彩が冷蔵庫から出したのは、ケーキが入ってるであろう白い箱。
甘いの苦手だけど桜彩のためなら、いくらでも食える!!
………多分。
「じゃーん!誕生日ケーキ作ってみたよ。チョコレートケーキねっ」
「へ~……完成度高っ!さすが桜彩ー!」
「食べて!食べて!」
「も、もちろん食べる!俺、めっちゃ腹減ってんだよなぁ」
期待の目を向けられるからには食べなくちゃなんねぇよ。
ホールのケーキに小さくフォークを刺して一口。
あれ………?

