事務所での打ち合わせも1時間くらいかかり………
事務所を出ると11時半。
これはもう帰れないの決定!!
「ん~……こんなに忙しい誕生日は初めてだ」
「良いのか悪いのかビミョーなとこだよな。普通の高校生なのによ」
「でも俳優になりたいって思ったの俺だし……頑張らないと」
「俺が高校生ん時はそんなこと思わなかったわ」
諦めた帰り道はゆっくりマンションに帰る。
マンションに着いて腕時計を見ると、ぴったり夜12時。
誕生日が終わった。
「お疲れ、凛。明日は仕事休みだからゆっくり寝とけよ!」
「西浦さんもゆっくりして下さいね」
「とうとう気遣いも出来る俳優になったか!」
「もちろん!」
笑う俺に西浦さんが「無理すんな」って言葉をくれる。
痛いほど染みるわ……。
静かにマンションの廊下を歩いて鍵を開ける。
桜彩が寝てるはずだからドアも静かに閉めた。

