申し訳なさそうな顔で、困ったような様子。
どうしたんだろ……?
「あのさ……俺の実家来ない?」
「い、いいけど……」
「桜彩のこと…親に紹介したいし、親も会いたがってるから」
彼氏の実家に行くってこと……だよね?
彼氏の実家なんて初めてだしどうしよう……。
緊張するな……。
それに凛に対しても曖昧な答えしかできてないし、行きたくないわけじゃないけど………
「緊張しなくていいから!母親がうるさいんだよな……」
「だ、大丈夫!あたしも凛のお母さんに挨拶とかしなきゃだし…大丈夫だよ!」
「そう?……俺がずっと側にいるから緊張すんな」
あたしを抱きしめて手を優しく包み込んでくれる。
大丈夫。
こんなに凛が優しいのは、きっと家族みんな優しいってことだもん。
あたしの唇に凛の唇が優しくそっと触れた。