今はあゆみのことより仕事仕事……。


「新名凛さん、千川理音さん入りまーす!」


あぁ……また目まぐるしい撮影がスタート。


「凛~。今日の仕事長いらしいからさ、終わったらケーキ屋行こっ♪」

「ケーキ屋かー………。うん、行くか」

「珍しい~!甘いの大嫌いな凛が着いて来てくれるって!」

「俺が食べるわけじゃねぇから」

「そーゆうことか!あゆみさんにだなっ!」


あゆみにじゃなくて、朝からバタバタと世話になった桜彩に。


女の子って甘いの好きなはずだし……。


いや、でも桜彩ってケーキのイメージつかないな。


こんなこと、もし桜彩に聞かれてたら竹刀で叩かれそうだ。


今は仕事に集中……。



「いやー……やっぱり凛くんの演技はいいね。知り合いの監督に映画デビュー頼んでやろっか?」

「ほんとですか!俺が映画なんてまだまだ遠いですけど」

「そんなことないさ!今や、世間の女の子は凛くんの虜だから!」

「そんな~」


撮影が休憩に入れば、俺へとくるべた褒めの嵐。


まぁ、悪い気はしないけど隣にいる理音の機嫌は悪そう……。


俺ばっかチヤホヤされてたら気分悪くするのも当たり前だから、あえて放っておく。