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「えみちゃんはさ、城田陽太くんのこと知ってた?」


昼休み。
私がそう聞くと友達のえみちゃんは飲んでいたりんごジュースが変なところに入ったのかむせてしまった。


「ちょ、大丈夫!?」


「は?いやいや、むしろ、私があんたに大丈夫かと聞きたいわ。
城田を知ってたかって、知らないやつがいるのかと逆に問いたい。」


はあ、とえみちゃんはため息をはくと【城田陽太】について知っていることを話してくれた。


かわいいも、かっこいいも兼ね備えているイケメン。
物腰が柔らかく、優しいイケメン。
超モテるけど、彼女はいないイケメン。



「まあ、とりあえず、そんな感じの顔は最高に良いやつだよ。
少なくともクラス内、いや、学年内で知らないやつはいないってほどの有名人。

…那加、本当に全然知らなかったの?」


「…知らなかったというか、興味なかった。」


えみちゃんは更に深くため息をはく。