「紗英子さん」 「ん?」 「さみしく、ない?」 ――え? 織くんを玄関の外まで送ってる途中で、そんなことを聞かれた。 近くの駅まで送るって言ったのに、危ないからって断られた。 さみしい?そんなこと。 「思ったこと、ないなぁ」 「……学年違うし、俺は部活。ちゃんと会えるのは昼休みだけなのに?」