「どこから飛んできたんだろ」



キヨは楓の葉を掴むと、辺りを見渡す。


月に照らされた山は赤く輝いていた。




「楓の花言葉ってね“約束”なのよ。葉っぱなのに花言葉があるなんてびっくりしちゃった」

「カンナは花言葉も知ってるんだね。凄い」

「お菓子のパッケージに書いてあっただけよ」



キヨとカンナが話していると、ケンがカゼをくすぐり始めた。





「………何?団子食べたいの?」

「違うよ。カゼが声を出して笑ってる所って見た事ないなぁって思って」

「そういえば見た事なーい」

「カゼはフッと笑うくらいだからね」



4人はカゼの顔を覗くとニタリと笑い出した。


カゼは気にする事なく団子を食べ続ける。




「よっしゃ!名付けて“カゼを爆笑させろ大作戦”開始♪」

「何のひねりもないネーミングだな」

「いいんだよ、笑わせれば」




こうして始まったカゼを爆笑させろ大作戦。


4人はどうしたらカゼが笑うかを考え始めた。