そしたら彼は、キョトンとなった。


“「どこがこわいの?」”

“「同じ人間だよ、どこが怖いっていうの?」”


ニコニコとさっきと変わらない笑顔で、言ってくれる。


そんなことを言ってもらえたのは、初めてで……すごく嬉しかったんだ。



“「あたし……ばけものなんだよ?」”


そう言っても、彼は………。


“「ばけものっていうのは、僕のおねえちゃんのことを言うんだよ」”


って必死に、違うと否定してくれた。


“「つぎにばけものって言われたら…僕もばけものになるっ!」”


それは…闇に侵されていたあたしの心にとって、温かい光の言葉だった。

その後すぐに、彼は家族のところへ行っちゃったけど…。


もう一度……会って、ちゃんとお礼を言いたいな。


あの優しい笑顔を持った男の子に、もう一度逢いたい。