やっと、静かに暮らせるって思ったのに。

そりゃ…通り魔の事件のことはあるけど、陸とのことは平穏だったのになぁ…。

あの電話のお陰で、ただでさえ眠れないのに…さらに眠れなくなった。


電話があった日は、会長が生徒会室からあたしの部屋まで運んでくれたんだって。


「会長の手……気持ちよかったな…」

「はっ!?今なんて言った!?」

「え?」

「杏樹、あの会長とシたの?」


シた?なにを?

ポカンとするあたしを見て、柚莉が叫ぶ。


「会長とエッチしたの!?」

「………するわけないじゃん!」

「だって、気持ちよかったとか……」


勘違いしてる柚莉さんに、この前の仮眠室でのことを話した。


「………杏樹?アンタ、会長に他にされてないの?」

「う~ん……あ。プールでキスされた……」

「はぁあああああ!?」


ポツリと答えた瞬間、さっきより大きな声で叫ばれる。