しかし、拳銃から銃弾は発射されなかった。


『弾切れみたいだね〜』


そう告げた3人の中年男は橘玲子を囲んだ。


『くっ…』


橘玲子はポケットから折りたたみ式のナイフを取り出し、勢いよく立ち上がり振り回した。


『危ないよ〜、そんなもの振り回したらさ』


橘玲子の背後にいた中年男が、橘玲子の両手をうまく掴んだ。


『あっ…くっ、放せ!!』


両手を掴まれた橘玲子はもがいた。


『んふふふ、おじさんたちはおてんばな女が好きなんだな。やっぱり若い子は良いなぁ…』


橘玲子の目の前にいる中年の男がにやけた顔で、嫌がる橘玲子の顔をマジマジと見つめた。