「これに基づく結論は、不死になったときの年齢や健康である状態を維持するというものだ」

 それにより、君の筋肉量はまったく変化しない。痩せることも太ることもなく、毒物が効かないのもそのためだ。

 手足を切り落としてもそれらは再び構築される。肉片になろうとも、塵になってもだ。肉片の一つ、塵の一つが君になる。

 もしかすると、塵よりも小さい分子、いや素粒子(そりゅうし)からでも君は復活するかもしれない。

 そこまで物質を一気に分解出来るものは無いがね。

「まあ。今の君には聞こえないか」

 しかし、読唇術でわたしの言葉をある程度は理解しているだろう。

 ハロルドはヘッドセットを左耳に装着し、後ろの青年に手を挙げて合図した。すると、青年は無言で頷き何かのスイッチをONにする。