「えー! ずるいです! 愛先輩! 俺とも遊びに行ってください!」


後ろからひょこっと顔を出したのは、後輩の沢尻くん。


「俺も忘れないでね」


横から生徒会長の足利さんが近づいてきた。


「わ、分かったよ! また前みたいに三人で出かけたらいいでしょ?」


「えー! それじゃデートにならないじゃないですかー!」


と、沢尻くんがいちゃもんをつける。


だ、だから、デートじゃないって!


「順番ごっこしたらいいんじゃない?」


「なるほど!先言った俺が一番ですね!」


「俺、二番っすねー!」


「俺は最後でいいよ」


ちょ、ちょっと…。勝手に決めないでよね!


と、私が言う隙もなく話はどんどん進んでいく。


デートじゃなくて、あ・そ・びに!
行くだけなんだからね!