「どうせ下らんことでも考えていたのであろう」



そう鬼虎が人を見下して笑うのだけれど。



なんだか反発心が沸いてこないや。



「あははー、ちょっとぼーっとしてたみたい。買い物だよね」



その場を取り繕うために間抜けに笑ってみせる。


まあ、嘘はついていない、本当に呆けていたのだから。



「ああ、まったく、この子は道中の話をちっとも聞いてないね」



ええ、聞いてません。



兄の溜め息に頷くと、鬼虎までもが呆れたように溜め息をついた。



「俺と虎は先に虎の必要なもの買ってくるから。その間思李はゆっくりしてて。オーケー?」



私だけ別行動なのに疑問も沸いたけど、ちょっと逆にそれがありがたくって再び頭を縦に振る。