「起きてみろ」


「はっ……!?」



おっ、起きてみろぉ!?


何その挑発的な声! 言葉!



一体コイツのどこに心を広く持てって言うんだ、あの馬鹿兄貴。



一瞬だけ刀から目を離し、離れて立っているところにいる鬼虎を睨んでやる。


でも怖くてすぐに視線が切先へと向かう。



「無理です」



素直に言ってみる。


いやだっていくら横向きに寝ているからって、正直この状況、動けません。



「はっ」



なっ……また鼻で笑った。



もう我慢できない、と文句を言おうとしたら、目の前から刀が遠のいて行く。


そして鞘に納める音がする。