「愛先輩!」


変態二号…沢尻くんが、教室の外から私を呼ぶ。


「なに、どうしたの?」


「見てください、これ!」


沢尻くんが出したのは、遊園地の券だった。
二枚あるって事は、ペアチケットかな?


「どうしたの、これ」


「知り合いからもらったんです! 良かったら愛先輩、一緒に行きませんか?」


「えっ!?」


そ、それってデート!?


「へー。 この券、俺も持ってる」


「あ、淳先輩!」


「俺が誘おうと思ったのに、翔…ズルイぞ」


「へへーん! 早いもの勝ちですよー!」


二人はなにやらモメているようだ。
私、まだ行くって言ってないのに。


「そんなに行きたいなら二人で行きなよ。 私、別に遊園地とか好きじゃないし」


「ダメです! 愛先輩と一緒じゃないと意味ないです! おばけ屋敷に入って、どさくさにまぎれてお尻を……って、あ!」


…やっぱそういう事か。