「やっぱり、恋してるんだね?」


もうごまかすことはできなさそうだ。


あたしは周囲に誰もいないことを確認してうなづいた。


「相手は船見くん?」


「うん」


そううなづいたときだった。


「さっきは大丈夫だった?」


と、後ろから船見くんに声をかけられて、その場で飛び上がって驚いてしまった。


振り向いた瞬間視線がぶつかり、自分の体温が急上昇していくのがわかる。


「だ、大丈夫だよ。助けてくれてありがとう」


声が震えそうになったけれど、どうにかそれだけ伝えることができた。


船見くんは満足そうにうなづいて「よかった」と呟くように言ったのだった。