久しぶりに昔の夢を見た。


母も父も、
私も、笑っていた。



もう、夢でしか見ることができない景色だ。




自分の部屋を見渡す。

一番目立つのは、
何といっても巨大なテディベア。
父が、私の5歳の誕生日にくれたプレゼントだ。


大きなぬいぐるみをお父さんが一生懸命抱きかかえてくるのが何だかおかしくて、
お母さんと顔を見合わせて笑ったのを覚えてる。




そんな可愛すぎるクマの人形は、ある程度大きくなったら趣味じゃなくなっていた。


でも、引っ越しの日、前の家に残してくることはできなかった。



“変わらないもの”を、
側に置いておきたかったのかもしれない。